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55万アクセス記念句会

55000.JPG

2023. 4.27( 結果発表 6.2)

印象吟題

【選者】三人共選

・中前棋人

・山田恭正

・毛利由美

​(披講順・敬称略)

【各賞】

最多得点句賞 20,000円

各選者特選賞 2,000円

⚠緊急告知有り​

​最後までお読みください

【最多得点句賞】
並列になると軍靴の音になる​     水品団石​  7点

 

【選者別特選】

・中前棋人選 

並列になると軍靴の音になる

水品団石

 

・山田恭正選
十二時を過ぎ中古車に戻る馬車

真島久美子   
   
・毛利由美選  

並列になると軍靴の音になる

水品団石

毛利由美選

【特選】

はっとして風とぽろぽろしてしまう

伊藤こうか

【秀1】

頑固者だけで営む観覧車

西沢葉火

【秀2】

やわらかなときのながれがかびくさい

青砥たかこ

【佳句】

輪廻待つ列にうっかり並んだの

長岡みゆき

私淑する人の無言を聴いている

加藤当白

巻き戻し可能でしたら手を打とう

阪本ちえこ

曖昧はあいまいなまま自己主張

平川富美子

南無阿弥陀となえてアプリ削除する

いわさき楊子

物置に「宮沢りえ」のヌード本

小林信二郎

解体が終わり傀儡は貝になる

伊藤良彦

色抜けて錆びてはいないリユニオン

のりこ

オルゴールでした午前零時までは

のりこ

裏木戸にシーラカンスが干してある

真島久美子

こおろぎと一夜を明かすかぐや姫

真島美智子

生き様は喜劇だろうかゴミ屋敷

丸山ひとみ

動線の二十世紀はただ無口

真島久美子

メーテルと行ったキカイの星 地球

石渡政枝

ふる里のお化け屋敷が増えている

若芽

ピットイン僕の足腰取り替える

横尾信雄

ステイホームの羽衣が朽ちている

赤松ますみ

 

耳を澄ませばふるさとの鼻濁音

松尾冬彦

井戸一つもう辿れない祖父の納屋

北村克郎

ちゃんと眼をみてくれよまだ闘える

松田タ介

【選評】

題の写真は、ともすれば写真の説明や大喜利になりそうな難しいお題だったと思う。自分自身、作句に苦しんだ。

今回は、風化した様子がうかがえる印象から「時間」という概念でいただいた。コロナ禍で過ぎていった時間、人生のカウントダウンとカウントアップ、時代の流れの中での自分。そこを詠んでいる句に惹かれた。素晴らしい句に出会えて感謝です。

 

・秀2

「やわらかなときのながれが」というよく見るフレーズの後に「かびくさい」とばっさり突き放す。昔は良かったねと語られる「ときのながれ」は、よく見るともやもやとしたカビの胞子に覆われて、一見柔らかそうに見えているだけ。ひらがなでそれを表しながら、同時に「今これから、前へ行くだけ」という凛とした視線と静謐さが感じられて魅力的。

 

秀1

時代という観覧車は、根幹はシンプルなパーツでできており、それを頑固者がしっかりと巡らせている。頑固であらねばならぬ理由は何なのか。それは不変でもあり普遍なのだろう。

 

・特選

人生は「はっとして」の連続なのかもしれない。その時々に吹く風との巡り合いに、驚いたり慌てたり、ドタバタしたり嬉しくなったり。歩んでいく人生の中でのさまざまな出来事、悲喜こもごもや味わいを「ぽろぽろしてしまう」とした表現が新鮮。

​【軸吟】

モジュールをはずして永い旅終えた

​藤田めぐみ

中前棋人 選

【特選】

並列になると軍靴の音になる

水品団石

​【秀1】

こんにゃくの中には不眠症の街

真島久美子

【秀2

それぞれがひとつ持ってる玉手箱

真田 義子

【佳句】

矢面に立つ気はまるでないリンゴ

渡辺遊石

 

淋しさを寂しさで割る生たまご

米山明日歌

 

眠れないゾエトロープの羊では

西沢葉火

警視庁トウモロコシ科24時

西沢葉火

ワニワニパニックに歯科医の同行

藤井智史

 

パラダイムシフトレバーでやり直す

森砂季

お隣に夜な夜な集う火星人

句ノ一

イケイケの時を偲んでいる裸体

小林信二郎

0時過ぎシンデレラから呼び出され

鮎川弘子

SPも突破 世に問うことがある

水品団石

スイッチオンもう止まらない好奇心

江川寿美枝

スクラムの後ろを敵に狙われる

橋倉久美子

フェロモンは溢れています四十六

小林信二郎

ミニチュアを並べ擬態を繰り返す

原 徳利

飲み過ぎた車が歌うよいとまけ

丸山 進

隠居にはまだまだ惜しい人ばかり

澁谷さくら

嘘つきはいないかライト点けてみる

句ノ一

健さんに憧れつづけ映画館 

風間 なごみ

再雇用低賃金も甘受する

高浜広川

拾う神捜してるのに見つからぬ

落合正子

新しい出会いを探す深夜二時

真島 芽

中間色似合う凡人の証

山田 恭正

天体ショー始まるまでの仮眠とる

松尾貞美

韋駄天に負けない頃もありました

柳谷益弘

老兵は死なずひまわり咲かせたい

柳谷益弘


(選後感)

う~ん・・・こんな発想もあるのかともう脱帽です。いい刺激を受けました。切り株(私)から、ひょっとして芽が出てくるかもしれません。👍😊

特選
戦争は必ずそこにその意図があってのことである。そこに目を向ける姿勢を失ってはならない。
秀句1
この例えが秀逸。なるほどと思わせる力がある。
秀句2
そのそれぞれを認め合う社会を目指したい。

 

​軸吟 この先はピンクになると思います 中前棋人

山田恭正 選

特選 十二時を過ぎ中古車に戻る馬車
   真島久美子

 

秀1ラーメンの列に並んで日が暮れる
  石橋 芳山

秀2踊ろうよヘッドライトの輪の中で
  城野くみ子

 擦り切れた夜に迷っているホタル
 北村克郎

 

 眠れないゾエトロープの羊では
 西沢葉火

 

たんたんと過去を背負って待っている
廣瀬良磨

 

 それぞれがひとつ持ってる玉手箱
 真田 義子

 

 ざわざわと過去の話で盛り上がる
 廣瀬良磨

 女人結界満月吊るす摩崖仏
 木嶋 盛隆

 何事もなかったようなエアバッグ
 毛利由美

 宵闇に潜むロボット達の恋
 平川富美子

 車よりポンコツだった運転手
 毛利由美

 皐月闇トリケラトプス目を覚ます

 笹田かなえ

 並列になると軍靴の音になる

 水品団石

 哲学のままにポンコツ走らせる

 中前棋人

 中古車と世間話をする深夜

 真島 凉

 中古でもプライドはある意地もある

 井口なるあき

 ようやっと月が隠れた忍び足

 若芽

 スクラムの後ろを敵に狙われる

 橋倉久美子

 手掛かりを探す一灯あればいい  

 沢麻亜子

 暗闇に笑うカエルの二部合唱

 小池喜治

 これ以上働けません眠ります

 真島美智子

 AIの審査でぼくがミス日本

 落合正子

 嘘つきはいないかライト点けてみる

 句ノ一

 くっつきすぎですよ もっとはなれてよ

 角田幸美

 安売りはしないと決めて売れ残る

 橋倉久美子

 こんにゃくの中には不眠症の街

 真島久美子

 かぐや姫の降臨を待つ息ひそめ

 松尾貞美

 

(選後感)
秀2
ウエストサイド物語が、ウエストサイドストリーとして、スピルバークが最近リメイクしたが、

その「クール」のシーンを彷彿とさせる一句。
秀1
中古車が並ぶ道路の向かい側に人気のラーメン屋があるという。
そして、人は、そんなことに時間を費やしているうちに老いてゆくものだと
いうアイロニー。
特選
シンデレラでは、カボチャが馬車になったが、もし現代なら中古車が馬車に
なるという発想に魅せられた。ファンタスティックな句である。

軸吟 検診を車検のように受ける古希 山田恭正

 

毛利由美 選

特 選 並列になると軍靴の音になる
     水品団石

秀1 AIの審査でぼくがミス日本
    落合正子

秀2一徹な蕎麦が車を待たせてる
    野村賢悟


(佳作)

韋駄天に負けない頃もありました
柳谷益弘

眠れないゾエトロープの羊では
西沢葉火

 

不服なら逃げて帰ればいいのです
横尾信雄

 

哲学のままにポンコツ走らせる
中前棋人

 

中間色似合う凡人の証
山田 恭正

 

走り出す大きく息を吸ってから
渡辺遊石

 

世の中は動くこうしているうちも
西村正紘

 

宵闇に潜むロボット達の恋
平川富美子

 

手掛かりを探す一灯あればいい  
沢麻亜子

 

擦り切れた夜に迷っているホタル
北村克郎

 

今日もまた売れ残ったねキミとボク
新家完司

 

蛍こ~い僕はいつもの居酒屋へ
永見 心咲

 

一生を摩耗し合っている職場
藤井智史

 

一億円がずらりベンチに控えてる
佐藤孔亮

 

安売りはしないと決めて売れ残る
橋倉久美子

 

パラダイムシフトレバーでやり直す
森砂季

 

どんぐりも個性出てくるお年頃
澁谷さくら

 

スマホから暴走族の音がする
真島 凉

 

ざわざわと過去の話で盛り上がる
廣瀬良磨

 

これ以上働けません眠ります
真島美智子

かぐや姫の降臨を待つ息ひそめ
松尾貞美

0時過ぎシンデレラから呼び出され
鮎川弘子

皐月闇トリケラトプス目を覚ます
笹田かなえ

連休の山に車がまぶされる
森砂季

助手席の更新ならばお手のもの
まみどり


( 選後感)
特選 並列になると軍靴の音になる
ざっざっざと音が聞こえるような不穏さが闇と現実と相まって迫ってくるものがありました。

戦争はもう昔の話ではありません。
秀1  AIの審査でぼくがミス日本
チャットGPTでにぎわう日本。
でもなかなかのミスもしでかしてくれて、
並みいる美人をおさえて「ぼく」をミス日本にしてくれました。アイロニー漂う一句。
秀2  一徹な蕎麦が車を待たせてる
「い」抜きの句ですが、具体的な原因と結果が印象吟の映像と一致して身近な「あるある句」として
採らせてもらいました。

軸吟  人間のメンテは車より安い 毛利由美


 

​(主催者より)
今回もたくさんの応募をいただき感謝申し上げます。76名と
目標も達成することができました。
又個人的にも今回初めての個人別1位、そして最多得点賞と自分でも驚いております。
そこで、
緊急告知!次回へ賞金をプールします。
(次回60万アクセス句会)の最多得点句は賞金は金40,000円です。
​皆様、次回も是非ご参加お願い申し上げます。
水品団石拝

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