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3万アクセス記念句会

2005.03.25

【選者】三人共選

・柴崎昭雄

・門脇かずお

・ひとり静

(敬称略)

柴崎昭雄選

特選句) 

何処にでも居るのね不揃いなリンゴ    

 

(秀句)

 母の手を引いて土筆を取ってきた

  小林信二郎

迷い道マッチ一本つけてみる

 真田義子

燃え尽きた頭集めている談義

 板垣 孝志

(佳句

君の言葉未だに消化不良だよ

 もくっぴ

待ちぼうけ爪先立ちはまだ続く 

 門脇かずお

決心がついてただいま電話中

 真田義子

泣けるだけ泣いたと朝の笑い声

 山本 トラ夫

寄り添って生きるしか無いのに戦

 川島五貫

まだなにか恋の火種を予感する

 中前棋人

残像は笑顔卒業式の友

 水品団石

アリバイが多すぎる日の二十四時

 山本 トラ夫

良いことがあると信じて待っている

 真田義子

まぼろしで構わないからマッチする

 水品団石

胸にしまっておく燃え尽きたかたち

 ひとり静

護摩をたく炎に少しおく野心

 山本野次馬

みてごらんコロボックルの焚き火跡

 板垣 孝志

堅物が一度だけした火の遊び

 小林信二郎

正解を求めぬ 愛の微積分

 荻田飛遊夢

鈍臭いマッチで秋刀魚焼くアイツ

 山本野次馬

マッチ売り少女が消えた後が有る 

 可福

,<選後評>画像が面白かったので、予想通り面白い句が集まった。「マッチ」や「燃える」

以外の発想も多かったので、選句する時の想像が拡がりました。

特選=「不揃いなリンゴ」は、それほど珍しい表現ではありませんが、それぞれ

の個性や生き方を感じました。「何処にでも居る」に不思議な安心感を覚えまし

た。

秀句=年老いた母なのだろう。昔は母に連れて行ってもらったのかもしれない。

そんな母子の絆の背景が見えるようです。画像のイメージから土筆の連想は

発見ですね。

迷った時のマッチは頼もしいですね。実際にマッチをつけなくても、

その前向きなバイタリティが良いですね。

「燃え尽きた頭」がユーモラスで、真剣に談義していても思わず笑ってしまい

そうである。二日酔いか、タバコの吸殻が溢れているような場面を想像した。

・拙い選ですが、貴重な機会を与えていただきありがとうございました。

門脇かずお 選

特選句)

 数えないことにしている恋その他

    柴崎昭雄

秀句)

あと一本あれば告白できたのに

   柴崎昭雄

迷い道マッチ一本つけてみる

 真田義子

ピタゴラス只今理論武装中

 中前棋人

(佳句

燃え尽きた頭集めている談義

 板垣 孝志

団塊の世代に過労死が続く

 板垣 孝志

寄り添って生きるしか無いのに戦

 川島五貫

胸にしまっておく燃え尽きたかたち

 ひとり静

マッチ棒お前は主張しないのか

 mai

笛の音がストーンヘンジから聞こえ

 加藤鰹

気がすむまで待ってくださいさようなら

 ひとり静

まだなにか恋の火種を予感する

中前棋人

何処にでも居るのね不揃いなリンゴ

 栞

マッチ擦るつかの間ほどの恋でした

山本 トラ夫

お互いの秘密 スクラム組まないか

 荻田飛遊夢

まぼろしで構わないからマッチする

 水品団石

火のつかぬ愛簡単に捨てられぬ

 茶っ茶

決心がついてただいま電話中

 真田義子

みてごらんコロボックルの焚き火跡

 板垣 孝志

燃えかすが集まり何の悪だくみ

mai

良いことがあると信じて待っている

真田義子

<選後評>

特選句

数えないことにしている恋その他

「恋その他」が安易に見えるがそうではない。

  上5中7に見事に呼応している。

  あれもこれも数えないこととしながらも、実はちゃんと数えている。

秀句 あと一本あれば告白できたのに

評 人間は弱い動物でもあり、思い込みの激しい動物でもある。

  あと一本あれば・・・そう思い込んでしまう。

  実際にあと一本あっても告白は出来なかったであろう。

迷い道マッチ一本つけてみる

 人生は迷いの連続である。

  作者は何回ぐらい迷い道に遭遇したのだろうか。

  マッチ一本つけて、そしてまた迷う。

ピタゴラス只今理論武装中

 課題の写真から離れ過ぎていないのが良い。

  ただの見つけと思われるかもしれないが、この見つけは凄い。

選後感

写真があって生きてくる句。写真から離れてしまった句。

十人十色の句の中で、どこまで許容すればいいのか迷いました。

迷った末のこの選句が僕の答えです。

ひとり静 選

(特選句) 

カウボーイも無口 原爆資料館

 小林信二郎

(秀句 

心配するな田植えまでには生き返る

 門脇かずお

手品師が足下に落とした仕掛け

 若芽

みてごらんコロボックルの焚き火跡

 板垣 孝志

(佳句

ぷっつんとどこかで嘘が勝ちました

 小島 百惠

まぼろしで構わないからマッチする

 水品団石

良いことがあると信じて待っている

 真田義子

迷い道マッチ一本つけてみる

 真田義子

寄り添って生きるしか無いのに戦

 川島五貫

あと一本あれば告白できたのに

 柴崎昭雄

素晴らしい(たぶん)現代アート展

 加藤鰹

何処にでも居るのね不揃いなリンゴ

 栞

団塊の世代に過労死が続く

 板垣 孝志

君の言葉未だに消化不良だよ

 もくっぴ

ピタゴラス只今理論武装中

 中前棋人

負け犬の家系に迫る句読点

 茶っ茶

スクラムを組んで明日の風に逢う

 栞

燃えきれず過去の無念がわだかまる

 もくっぴ

胸底に未だ燻ぶる泣きボクロ

 若芽

鈍臭いマッチで秋刀魚焼くアイツ

 山本野次馬

火遊びの恋のつもりがボヤ騒ぎ

水品団石

<選後評>

特選 

・カウボーイも無口 原爆資料館

  この画像を見て原爆資料館をイメージする想像力には脱帽です。

  アメリカ人のひとりひとりは無口になるかもしれないけれど

  政府とか関係者は反省のかけらもないようです。

秀句

・心配するな田植えまでには生き返る

  いろんな解釈ができてとても惹かれる句です。

  厳しい現実に立ち向って自分を励ましてる。

  「田植え」と言う言葉がいい。

・手品師が足下に落とした仕掛け

  観客は気がついてしまいました。

  大きな夢を見せてもらいましたが仕掛けはマッチ棒だったんですね。

・みてごらんコロボックルの焚き火跡

  蕗の葉の下で焚き火をしていたのでしょう。

  もしかしたら、災害や公害の話をしていたのかもしれません。

  恋人同士の会話かな?

選を終えて

イメージが大きく膨らむ句を選んだつもりです。

理解が及ばなくて落っことした句はごめんなさい。

自信がないのでまず夜にそして一日置いてお昼に、またその次の日は朝に選句

しました。朝と昼と夜とではやっぱり違う句になりました。

結局、最後に選んだ句を重視しました。

総得点順位

氏名点数

1真田義子10

2板垣 孝志9

3柴崎昭雄6

3小林信二郎6

4栞6

5中前棋人5

6水品団石5

7門脇かずお3

7若芽3

8川島五貫3

8もくっぴ3

8ひとり静3

8山本トラ夫3

8山本野次馬3

参加人員22名

※たくさんの投句と選者のセンセイ方の厳粛な選に感謝申し上げます。
大変素晴らしい句会でした。団石

 


板垣孝志 選

【特選】

前後左右どっち向いてもある未来

門脇かずお

【秀句】

ライバルがロダンにかわる盤の前

中前棋人

この頃は楽しかったと棋聖言う

関志高

無限大まで膨らます子らの夢

望月弘

【佳句】

あるんだなー白黒つけにゃいかん時

川島五貫

ファミコンを碁石に変えて見る世界

山本野次馬

楽しいねうるさい親がいないから

関志高

棋士目指すちびっ子達の瞳が光る

薮崎千恵子

勝負とは辛い切ない物語

永田のぶ男

十年後見ててよ僕が名人さ

佐藤明美

無邪気さの中に煌めく才知みる

佐野由利子

ハタ目だとよく見えるのを学ぶ石

川島五貫

そんなには悪くないかも なあ未来

館長

いつだって本気を出して勝負する

塚本一道

(選後評)
【特選】

子供達の生き生きした表情と、碁盤の前後左右・そして未来。見事にマッチした句。

【秀句】

・ここにロダンを持ってきた作者のセンスと発想力に拍手

・多分、棋聖はそう言うだろうね。名人とか呼ばれた時から無邪気とかいう大切なものはなくしちゃうもんね。

・世の中暗いから、せめて川柳の中だけでも明るい未来になって欲しいから、前向きな句にお礼を込めて・・・

小林信二郎 選

【特選】

そんなには悪くないかも なあ未来

館長

【秀句】

私メは性根の悪いガキでした

山本トラ夫

あるんだなー白黒つけにゃいかん時

川島五貫

ぺきぺきと音をたてたぞ芽が出るぞ

塚本純子

【佳句】

ファミコンを碁石に変えて見る世界

山本野次馬

悪いけどガキの頃からケンカ好き

水品団石

楽しいねうるさい親がいないから

関志高

白黒はついたが心受け入れず

山本トラ夫

棋士目指すちびっ子達の瞳が光る

薮崎千恵子

ハタ目だとよく見えるのを学ぶ石

川島五貫

  

白黒をはっきりしたい恋の中

山本治

次の手を出せないままに夜が明ける

加藤鰹

神の手がイタズラをする多数決

荻田飛遊夢

豆囲碁士まっさらへ掛け白と黒

風間和子

(選後評)
ファミコン ゲーセン 遊びは多様化しているが、囲碁楽しむ(苦しむ)子供たちに良い未来が来ますように 

天災が続く日本によい明日が・・・未来のある、明るい句を取りました。 

佐野由利子 選

【特選】

少年の脳を燃やして碁盤の目

風間和子

【秀句】

人生の岐路四つ辻に石を置く

板垣孝志

白か黒つけてはならぬものもある

塚本一道

白黒はついたが心受け入れず

山本トラ夫

【佳句】

ちびっ子の頭脳碁石をインプット

薮崎千恵子

カテキンが悪玉退治にやってきた

山本治

前後左右どっち向いてもある未来

門脇かずお

卵から棋聖生まれる日の予感

望月弘

棋士目指すちびっ子達の瞳が光る

薮崎千恵子

白黒をはっきりしたい恋の中

山本治

思案中戦略だけは負けないよ

山本真樹子

可能性という宝石ザックザク

佐藤明美

そんなには悪くないかも なあ未来

館長

いつだって本気を出して勝負する

塚本一道

(選後評)
子供達が楽しんで囲碁を打っている状況から、特選句を選びました。
「脳を燃やして」の中七が、子供囲碁を上手く表現していると感心しました。

秀句3句は、囲碁から発想を大きく広げ、印象吟に相応しい句です。

以上です。選句の大任を有難う御座いました。良い勉強をさせて戴きました。

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